リスティング広告のキーワードは、自社の商品やサービスと関連している語句にしておけば問題ないだろうと簡単に考えていませんか?私もかつて、リスティング広告の運用を担当していたことがありますが、実際に運用を始めるまでは、キーワードに焦点をおいていませんでした。

自社商材に関連するワードに設定することが間違っているわけではありません。問題なのは、「キーワードを考えるのは簡単だ」と思っているところにあります。実はリスティング広告を運用するうえで、もっとも重要になるのがこのキーワードの選定であることは運用をし始めてから気付いたことでした。

広告文面の作成や、掲載箇所の設定などに比べ、キーワードの選び方によっては、どんなにいい広告を出しても、どんなにいいサイトを作っても、その情報を必要としているユーザーの元へ届けることはできません。リスティン広告において、もっとも重要となるのが広告を出稿するキーワードだといっても過言ではないくらい重要なものなのです。

そこで今回は、費用対効果の高いリスティング広告を出稿するためのキーワードの選び方についてお伝えします。

キーワードの選定が重要な理由

search-windowリスティング広告において、キーワードの選び方が重要とされるのには、次のような理由があります。

キーワードによってクリック単価が異なる

リスティング広告はユーザーがクリックした段階で費用が発生するクリック課金型です。設定するキーワードによって、発生する費用が大きく異なってきます。ビッグワードと呼ばれる検索ボリュームの大きいキーワードを設定した場合には、1クリックにかかるクリック単価は1,000円を超えることも多くあります。限られた予算での運用を考えている場合には、ビッグワードに投資してしまうと、わずか数人のサイト訪問者を得るだけで、費用を使いつくしてしまう事態に陥ります。

できるだけ多くのサイト訪問者を増やすためには、できるだけクリック単価を押さえた運用をすることが重要になります。

リスティング価格

間違ったキーワードではコンバージョンにつながらない

リスティング広告は、ユーザーがキーワードを入力して検索したときに掲載されるキーワードに関連した広告です。検索したユーザーが、自分が必要としている情報が掲載されていると判断して初めて広告がクリックされて、サイトでの流入が成立します。さらには、そのサイトに必要としている情報が掲載されていて初めて商品の購入や資料請求、問い合わせなどのコンバージョンが成立します。

例えば、ランニングシューズの販売することをコンバージョンに設定しているとき「ランニング 靴」というキーワードと「ランニング 靴 安い」というキーワードでは、どちらがコンバージョン数が多くなると思いますか?

「ランニング 靴」と検索した人は、ランニングシューズに興味は持っているものの、どんな靴を選んだらいいのか、まだ靴を選ぶ基準が定まっていない可能性があります。一方で「ランニング 靴 安い」と検索している人は、ランニングシューズの購入意欲が高く、お手頃価格のものがみつかれば、購入してくれる可能性が高いといえます。この場合、よりコンバージョンに近いのは、「ランニング 靴 安い」と検索しているユーザーといえるでしょう。

これはGoogleのアルゴリズムでも認識されており、実際にそれぞれのキーワードを検索窓に入れると以下の画像のような検索結果が得られます。

「ランニング 靴」で検索した場合

「ランニング,靴,安い」で検索した場合ランニング 靴 安い

「ランニング 靴」で検索した人は傾向的に靴を選ぶ人が多いため、Googleは靴の選び方を検索結果として表示します。一方、「ランニング 靴 安い」で検索した人は通販サイトで商品を購入することを望んでいるため、サイトに行くとすぐに購入できるサイトを上位表示させる傾向にあります。

検索結果の意図を知ることによって、広告を掲載すべきキーワードは購買意欲の高いターゲットに訴求しているのかを検証することができます。

ユーザーにクリックしてもらうための広告文面や、ユーザーが必要としている情報を提供できているサイトももちろん重要です。目を引く広告でなければクリックはされませんし、求めていた情報が得られなければコンバージョンにもつながらないでしょう。ですが、広告を出稿しているキーワードとキーワードを検索したユーザーのニーズが合致しなければ、どんなに魅力的な広告も、どんなにクオリティが高いサイトもその実力を発揮することができません。

運営するサイトに掲載されている情報を必要としている人に的確に届けるためには、どのキーワードを検索したユーザーに広告を表示するかがもっとも重要になってくるのです。

キーワードを決める基準

advantagesキーワードの重要性を理解したところで、次は具体的なキーワードの選定方法についてお伝えします。リスティング広告を、費用対効果の高い広告媒体として活用するためには、次のような基準でキーワードを選定します。

  • 運営しているサイトと関連性が高い
  • 運営しているサイトを見てほしいユーザーが検索しそう
  • リスティング広告に捻出できる予算内で求めているクリック数を獲得できそうな推定入札単価

運営しているサイトとの関連性を考えると、必然的に検索ボリュームが多いビッグワードとなる確率が高くなります。それらのキーワードももちろん候補にいれてもらって構いません。しかし、運営しているサイトにたどり着きたいと考えるユーザーが、本当にそれらのキーワードを入力して検索しているでしょうか。

自分がインターネット検索を使用するときのことを想像してみてください。ビッグワードで検索すると、情報の幅が広すぎて、結局はそのあとに複数の語句を入力して検索条件を絞り込んでいませんか?

競合がひしめき、クリック単価が高騰しているビッグキーワードで、広告が表示されて多くの人の目に触れることはたしかに魅力的です。広告文面をより多くの人の目に触れさせたいという目的でリスティング広告を掲載するのであればそれでいいかもしれません。ですが、高い費用対効果でコンバージョンを得ることを目指すのであれば、ユーザーが情報を絞り込むために複数の語句を入力する「複合キーワード」の方が狙い目なのです。

複合キーワードの見つけ方

wanted複合キーワードが狙い目であるとはいえ、いきなり複合キーワードの選定にとりかかることはできません。次のような手順を踏むと、効果的な複合キーワードがみつかりやすくなります。

メインとなる単一キーワードを決める

効果的な複合キーワードをみつけるためには、まずはメインとなる単一キーワードの候補を洗い出す必要があります。単一(たんいつ)キーワードは、自社の商材のカテゴリや関連するワードが中心となるので、ビッグワードである可能性もあります。しかし、そのままキーワードに設定するわけではないので、この時点では検索ボリュームのことは気にしないでください。

少しでも可能性がある語句はすべて洗い出したうえで、運営するサイトの集客方法に適したワードを選ぶことが重要です。リスティング広告の予算にもよりますが、まずはメインのキーワードは3つ程度に絞った方が運用がしやすいでしょう。

関連キーワードを洗い出す

メインとなるキーワードが決まったら、その語句に続く関連キーワードを洗い出します。関連キーワードを探す際には、次のようなツールを使うと候補が見つかりやすいです。どのツールも無料で使用可能なので、一度試してみることをおすすめします。

  • Google Adwords キーワードプランナー
    https://adwords.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
    Googleが提供しているリスティング広告のキーワードを選定するためのツールです。キーワードを入力すると、関連ワードを加えた複合キーワードを提案してくれます。複合キーワードの検索ボリュームも同時に分かるので、よりユーザーが検索しているワードを知ることができます。一方で、検索ボリュームの小さいものや、推定入札単価の低いものなど、穴場ともいえるキーワードを発見することにも役立ちます。
  • weblio類語辞典
    https://thesaurus.weblio.jp/
    さまざまな同義語や同意語の日本語表現を約40万語を収録している「weblio類語辞典」は、使う場面やニュアンスごとに、類語とシソーラスを分類・整理された辞典です。うまく表現する言葉がみつからないときや、似た言葉が他にないかを検索するときに便利なツールです。リスティング広告用のツールを探しているのに、なぜ辞典?と不思議に思うかもしれませんが、キーワードの選定は、専用ツールを使わなければできないというものでもありません。無料で使えるツールはどんどん活用していきましょう。
  • 関連キーワード取得ツール
    http://www.related-keywords.com/
    その名のとおり、関連キーワードを取得するためのツールです。Googleのサジェストや関連キーワードのリストなどを一括で取得することができます。リストの中には関連性のないものも含まれてくるので、運営するサイトに関連するものだけをピックアップして候補に加えましょう。

競合他社とはかぶらないキーワードを選ぶ

複合キーワードの洗い出しが終わったら、そこから運営するサイトと関連性の低いキーワードを除いて、広告を出稿するキーワードのリストを作成します。このままリスティング広告の運用を始めても問題はないのですが、より高い費用対効果を求めるのであれば、競合他社がそのキーワードで広告を出稿しているかをリサーチしてみましょう。厳密にいえば、競合他社がどのキーワードになら広告を出稿していないかを調べましょう

というのも、リスティング広告はオークション形式の広告です。どうしても広告を掲載したい人は、他の人がかけている金額の少しでも上の金額を提示してきます。競合が多いと、その競争心理が働き、クリック単価はどんどん引き上げられ、予定していた以上の金額を費やしてしまうことになりかねません。少ない予算でも費用対効果のいい運用をしたいと考えるのであれば、運営するサイトとの関連性が高いキーワードのなかでも、競合する相手ができる限り少ないキーワードを選ぶことで、クリック単価を押さえてユーザーを獲得するに越したことはないでしょう。

候補として選んだキーワードを自分自身で検索画面に入力してみるのが、広告の出稿状況が実感しやすいです。そのキーワードではどのような企業がどのような文面の広告を掲載しているのか実際に見てみましょう。そして、その広告をかぶらない場所にかぶらない広告を掲載することを意識することが重要です。

さて今回は、費用対効果をあげるリスティング広告のキーワードの選び方についてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。ビッグワードを検索した際の一番上に表示されている広告を目にすると、ついついそのポジションをめざしたくなりますが、リスティング広告は表示位置を競う競技ではありません。求めているのは、より安い金額でより多くのユーザーの心をつかむことです。「ビッグワードで広告が出したい」「一番上がいい」などといった競争心理は捨てて、キーワードを選定しましょう。

まとめ

競合が少ない複合キーワードでユーザーの心をつかむ

  • リスティング広告はキーワードの選定がもっとも重要
  • 狙うは検索ボリュームの大きいビッグワードより、ニーズを絞った複合キーワード
  • 関連ワードの候補はあらゆる手段をつかって洗い出す
  • 競合他社が出稿していないキーワードを探す

お金に糸目をつける必要がなければ、たくさんのビッグワードにどんどん投資をしたいところですが、現実はそうもいきません。どんな分野でも競合が見落としている複合キーワードが必ずあります。穴場をみつけて費用対効果の高いリスティング広告を実現しましょう。